2026.09.24技術情報
ネジ位置で製品の品質は変わる?~見落とされがちな基板固定の重要性~
電子機器の基板設計では、部品配置や配線に注目が集まりがちです。
一方で、意外と見落とされやすいのが基板を固定するネジの位置です。
「基板を固定できれば問題ない」と思われるかもしれませんが、
ネジ位置は製品の品質や信頼性にも大きく影響します。
場合によっては、ネジ位置が原因で動作不良が発生することもあります。
今回は、量産を見据えた基板設計におけるネジ位置の重要性についてご紹介します。
| 目次 |
| 1. ネジ位置は基板を固定するだけではない 2. スイッチ基板は「押す力」まで考える必要がある 3. 実際にあった改善事例 4. 部品配置とネジ位置はセットで考える 5. 製造現場の視点が品質向上につながる 6. まとめ |
1.ネジ位置は基板を固定するだけではない
ネジの役割は、基板を筐体へ固定することだけではありません。
基板は大きさや厚み、部品の配置によって強度が変わります。
ネジ位置が適切でない場合、
● 基板がたわむ
● 基板に余分な力がかかる
● コネクタ部分へ負荷が集中する
といった状態になることがあります。
その結果、接触不良やはんだ部への負荷など、思わぬ不具合につながる可能性があります。
2.スイッチ基板は「押す力」まで考える必要がある

特に注意が必要なのが、スイッチやボタンを搭載した操作基板です。
操作パネルでは、ボタンを押すたびに基板へ力が加わります。
このとき、ネジ位置が適切でないと、
● ボタンを押した際に基板がしなる
● スイッチへ余分な力が加わる
● 長期間の使用で基板や部品へ負荷が蓄積する
といった問題が起こることがあります。
そのため、スイッチ基板では
「どこを押すのか」「どの方向から力が加わるのか」
まで考慮してネジ位置を決めることが重要です。
3.実際にあった改善事例
スター電子でも、ネジ位置が製品品質に影響した案件を経験しています。
ある製品では、基板サイズや部品配置に対してネジ位置が適切ではなく、基板へ力が加わった際に動作が不安定になる現象が発生しました。
原因を調査したところ、基板の固定位置が十分ではなく、外部から加わる力によって基板がわずかにたわんでいたことが分かりました。
そこで、ネジ位置を見直し、基板の支持方法を改善した結果、動作不良は解消されました。
回路やソフトウェアに問題がなくても、このように基板の固定方法が原因となるケースもあります。
4.部品配置とネジ位置はセットで考える
ネジ位置は、最後に決めるものではありません。
例えば、
● 重い部品の近くに支持点を設ける
● コネクタ周辺の強度を確保する
● 基板サイズに応じて適切な固定箇所を設ける
など、部品配置とあわせて検討することが重要です。
設計の初期段階から考慮しておくことで、後から大きな設計変更を行うリスクを減らすことができます。
5.製造現場の視点が品質向上につながる

ネジ位置はCAD上だけで決められるものではありません。
実際には、
● 組み立てやすいか
● ドライバーが入るスペースはあるか
● メンテナンスしやすいか
● 製品使用時に力が加わる場所はどこか
といった点も考慮する必要があります。
スター電子では、回路設計・基板設計だけでなく、部品調達、基板実装、組立、検査まで一貫して対応しています。
そのため、設計だけでは気付きにくい製造現場や使用環境まで考慮した基板設計をご提案しています。
6. まとめ
ネジ位置は、単に基板を固定するためだけのものではありません。
設計段階から、
● 基板サイズ
● 部品配置
● 操作時に加わる力
● 製造性
● 保守性
まで考慮することで、品質や信頼性の高い製品につながります。
特にスイッチ基板など、人が直接操作する製品では、押す力まで考慮した設計が重要です。
回路設計だけでなく、「製品としてどのように使われるか」という視点を持つことが、
量産を見据えた設計には欠かせません。
よくあるご質問(Q&A)
Q1:ネジの本数は少ない方がコストダウンになりますか?
A:ネジを減らせば必ずしも良いわけではありません。
ネジが少なすぎると基板のたわみや強度不足につながることがあります。
基板サイズや部品配置、使用環境に応じて適切な本数や位置を検討することが重要です。
Q2:スイッチ基板では、なぜネジ位置が重要なのですか?
A :スイッチを押すたびに基板へ力が加わるためです。
押したときに基板がしなると、スイッチやはんだ部へ余分な負荷がかかり、
動作不良や耐久性の低下につながる可能性があります。
そのため、操作時に加わる力も考慮してネジ位置を設計することが重要です。
この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社
この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。











