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2026.10.31スターの日常(ブログ)

現場の声を聞いて気づいた、本当に作りたかったもの

約20年前から頭の中にあったものを、ようやく形にすることができました。

しかし、形にできたからといって、それが本当に必要とされる製品とは限りません。
そこで、実際にリハビリに携わっている方に使ってもらい、意見を聞いてみることにしました。

まずは、近くの病院のリハビリの先生に試作した機器を見てもらいました。
良いと言っていただけるところもあれば、「もっとこうした方がいいのでは」というアドバイスもいただきました。

その意見をもとに改善を進めていたところ、リハビリや介護に関する機器が集まる展示会があることを知りました。

「せっかくなら、作ったものをいろいろな方に見てもらって、感想を聞いてみよう」
そう考えて展示会を訪れ、介護施設関係やリハビリ関係のブースを回りました。
そこで、私自身の考え方を変える言葉に出会いました。

「先生たちの負担を減らしたい」と考えていた

そもそも私がこの機器を作ろうと思った理由は、大きく二つありました。

一つは、自分自身の経験から、自宅でも気軽にリハビリに取り組めるものが欲しかったこと。
もう一つは、リハビリの先生や看護師、介護に携わる方々の負担を少しでも減らせないか、ということでした。

自分が入院していた当時、患者さんからきつく当たられたり、愚痴を聞いたりしている先生方の姿を見ていました。

私はずっと、
「大変だろうな」
「こうした負担を少しでも減らせたらいいのに」
と思っていました。

ところが、展示会で出会ったリハビリの先生から、こんな話を聞きました。
「辛く当たられたり、愚痴を言ってもらえたりすることも、自分たちに心を開いてくれたんだなと思えることがあります」

私には、少し意外な言葉でした。
私は「きつく当たられるのは嫌だろう」と、自分の目線だけで考えていたからです。

また、別の病院の先生からは、
「リハビリの先生になる人は、人と接することが好きな人が多い」という話も聞きました。

そういう考え方もあるのか。
自分にとっては、新しい発見でした。

もしかすると、少し方向が違っていたのかもしれない

いろいろな方の話を聞いて、改めて考えてみました。
私は機械を使うことで、先生や介護に携わる方々の負担を減らそうとしていました。

もちろん、今でも負担を軽くすることは大切だと思っています。
ただ、人と人との関わりまで機械に置き換えることが、本当に良いことなのだろうか。

むしろ、この機械があることで会話が生まれたり、先生が患者さんに声を掛けやすくなったり、
一緒に楽しめたりする。

そういうものの方がいいのではないか。
そう考えるようになりました。

そこで、機器にも改良を加え、製品として大切にすることを改めて整理しました。

1. 機能回復・機能維持につながる要素があること
2. ゲーム性があること
3. 先生や福祉に携わる方が声を掛けやすいものであること
4. できるだけ安価であること
5. 個人宅でも使える、小型で持ち運びしやすいものであること

特に大切にしたいと考えたのが、最初の3つです。

「今日もあのゲームをやりましょう」

ただ運動するだけの機械であれば、
「これをやりましょうね」で終わってしまうかもしれません。

でも、そこにゲーム性があれば、
「昨日より点数が上がりましたね」
「今日はもう一回やってみましょうか」
「次はもっと高い点数を狙ってみましょう」

そんな会話が生まれます。

使う人自身も「やらされている」のではなく、「もう一回やってみよう」と思えるかもしれません。
そして、その横にいる先生や介護に携わる方とのコミュニケーションも生まれる。

そう考えたとき、自分の中でようやくしっくりくる言葉が見つかりました。

「運動要素を持つコミュニケーションツール」

これが、自分が作りたかったものなのだと思います。

機械が人の代わりをするのではなく、人と人をつなぐ

最初は、先生や看護師、介護に携わる方々を
「機械で少しでも楽にできないか」と考えていました。

でも、実際に現場の方々の話を聞いて、少し考え方が変わりました。
機械が人の代わりをするのではなく、機械があることで、人と人とのコミュニケーションが生まれる。
リハビリや運動を「やらなければならないもの」から、少しでも「やってみよう」と思えるものにする。
そして、家庭でも、病院でも、介護施設でも、できるだけ気軽に使えるものにする。

約20年前、自分自身がリハビリを経験したことから始まった製品開発ですが、実際に形にして、いろいろな方の話を聞いたことで、最初に考えていたものとは少し違うところにたどり着きました。

でも、それで良かったと思っています。
自分が作りたいものを作るだけではなく、実際に使う人、支える人の話を聞きながら変えていく。
それも、ものづくりの大切な部分だと思うからです。

まだ、これで完成だとは思っていません。
実際に使っていただき、いろいろな意見を聞きながら、さらに良いものにしていきたいと思っています。

約20年前に自分自身が感じた「こんなものがあればいいのに」という思い。
ようやく、それを一つの形にすることができました。

これから、この製品を必要としてくれる人のところへ届けていきたいと思います。

この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社

スター電子株式会社

この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。

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