2025.06.09技術情報
ハンダとは? 電子機器を支えるつなぎの技術
ハンダ(または「はんだ」)は、電子機器の製造や修理に欠かせない接合材料であり、電子部品と基板を確実に接続する役割を担っています。本記事では、ハンダの基本とその重要性について解説します。
目次 |
1. ハンダとは何か? 2. ハンダの主な役割 3. ハンダ付けの種類 4. ハンダの選定と注意点 5. まとめ |
1. ハンダとは何か?
ハンダとは、主に金属を接合するために使われる合金です。低い融点を持ち、加熱することで溶けて部品同士を接着し、冷えると再び固まって強固な接続を作ります。
一般的な電子用ハンダは、以下のような金属で構成されます
● 錫(すず)と鉛(なまり)の合金(※現在は鉛フリーが主流) |
● 鉛フリーハンダ(例:Sn-Ag-Cu=錫・銀・銅) |
2. ハンダの主な役割
(1) 電気的な接続
ハンダは導電性が高く、部品と基板の電気信号や電力を確実に伝える役割を果たします。
(2) 機械的な固定
電子部品を基板にしっかりと固定することで、振動や衝撃から回路を守ります。

3. ハンダ付けの種類
方法 | 内容 |
(1) 手ハンダ | ▶ はんだごてを使って手作業で行う方式 ▶ 少量生産や試作に向いている |
(2) リフローはんだ付け | ▶ 表面実装部品(SMD)向け ▶ 事前にペースト状のハンダを塗布し、 炉で一括加熱して接続 |
(3) フローはんだ付け(ディップ方式) | ▶ 基板裏面に挿入された部品を一括でハンダ付け ▶ 大量生産に適している |
4. ハンダの選定と注意点
注意点 | 具体例 |
● 鉛フリー/鉛入りの使い分け | 環境対応や規格(RoHS)に注意 |
● フラックスの種類 | ハンダの広がりや接着強度に影響 |
● 適正な温度管理 | 加熱不足・過熱による不良を防止 |
5. まとめ
ハンダは、電子機器の信頼性と性能を支える重要な技術です。見えにくい存在ですが、その品質が製品の耐久性や安全性を大きく左右します。ハンダの正しい理解と使い方は、製造・設計・保守のすべての現場で欠かせない要素です。
この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社
この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。