2026.09.08技術情報
コネクタ配置で組立時間と製造コストは変わる?~量産しやすい基板設計のポイント~
電子機器の開発では、回路やソフトウェアが正常に動作することに注目しがちです。
しかし、実際に製品として量産する場合には、「組み立てやすさ」や「製造コスト」まで考慮した設計が重要になります。
その中でも、意外と見落とされやすいのがコネクタの配置や向きです。
「電気的につながれば問題ない」と思われることもありますが、
コネクタの配置ひとつで、組立時間や品質、さらには製品全体のコストまで変わることがあります。
今回は、量産を見据えたコネクタ配置のポイントをご紹介します。
| 目次 |
| 1. コネクタの向きで組立作業は大きく変わる 2. ハーネスの取り回しまで考えることが重要 3. コネクタ配置の工夫がコストダウンにつながった事例 4. 保守・メンテナンス性も考慮する 5. 設計と製造の両方を知っているからこそできる提案 6. まとめ |
1.コネクタの向きで組立作業は大きく変わる
基板上のコネクタは、電気的な接続だけを考えれば、さまざまな向きで配置することができます。
しかし製造現場では、
● コネクタを差し込みやすいか
● 作業者の手が入りやすいか
● 工具が使いやすいか
といった作業性も重要になります。
例えば、コネクタが奥まった場所に配置されていたり、隣の部品と近すぎたりすると、
接続作業に時間がかかるだけでなく、コネクタやケーブルに無理な力が加わる原因にもなります。
量産では、このような小さな違いが作業時間や品質に大きく影響します。
2.ハーネスの取り回しまで考えることが重要

コネクタは、基板単体ではなく、接続されるハーネスまで含めて考える必要があります。
例えば、
● ケーブルを自然な方向へ配線できるか
● 他の部品と干渉しないか
● 無理な曲げが発生しないか
などを考慮することで、組立しやすく、断線しにくい製品につながります。
コネクタだけを見るのではなく、「製品全体」を考えて設計することが重要です。
3.コネクタ配置の工夫がコストダウンにつながった事例
実際にスター電子で対応した案件でも、コネクタの向きを見直したことで、製造コストを削減できた事例があります。
当初の設計では、コネクタの向きに合わせて筐体へ複数の穴加工が必要でした。
そこで、コネクタの配置や向きを見直したところ、筐体の穴加工を減らすことができました。
さらに、コネクタの位置が変わったことでハーネスの取り回しも改善され、必要な電線の長さを短くすることができました。
その結果、
● 筐体加工の工数削減
● ハーネス材料費の削減
● 配線作業の効率化
につながり、製品全体のコストダウンを実現しました。
コネクタの向きは、一見すると小さな設計変更に思えるかもしれません。
しかし、基板・筐体・ハーネスを一体で考えることで、製造コストの削減につながるケースもあります。
4.保守・メンテナンス性も考慮する
製品は出荷して終わりではありません。
メンテナンスや修理が必要になった場合には、
● コネクタが抜き差ししやすいか
● 部品を取り外しやすいか
● 配線が分かりやすいか
といった点も重要になります。
設計段階から保守性を考慮しておくことで、修理時間の短縮やメンテナンス性の向上にもつながります。
5.設計と製造の両方を知っているからこそできる提案
コネクタ配置を最適化するためには、回路設計だけでなく、実際の製造工程を理解していることが重要です。
例えば、
● どの順番で組み立てるのか
● ハーネスはどのように配線するのか
●検査はどのように行うのか
といった製造現場の視点があることで、より量産しやすい設計につながります。
スター電子では、回路設計・基板設計だけでなく、部品調達、基板実装、組立、検査まで一貫して対応しています。
そのため、製造現場の視点を取り入れた基板設計をご提案することが可能です。
6. まとめ
コネクタの配置や向きは、単に電気的な接続だけで決めるものではありません。
量産では、
● 組立作業のしやすさ
● ハーネスの取り回し
● 筐体との組み合わせ
● 保守性
● 製造コスト
まで考慮した設計が重要になります。
設計段階で少し工夫するだけでも、組立時間の短縮や品質向上、さらには製品全体のコストダウンにつながることがあります。
量産を見据えた電子機器開発では、基板だけではなく、筐体やハーネスを含めた製品全体を考えた設計を行うことが大切です。
よくあるご質問(Q&A)
Q1:コネクタの向きは、電気的に問題なければどの向きでもよいのでしょうか?
A:いいえ。量産では、組立作業やハーネスの取り回しまで考慮して決めることが重要です。
作業しやすい向きに配置することで、組立時間の短縮や作業ミスの防止、品質の安定につながります。
Q2:コネクタの配置を工夫すると、本当にコストダウンにつながるのですか?
A :はい。場合によっては製品全体のコストダウンにつながります。
コネクタの向きを見直すことで、筐体加工を簡略化できたり、
ハーネスを短くできたりするケースがあります。
このように、基板だけではなく製品全体を考えて設計することで、コスト削減につながることがあります。
この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社
この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。











