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2025.08.25技術情報

【有機ELとは?】自発光ディスプレイ技術の特性と応用ポイント

有機EL(Organic Light Emitting Diode:OLED)は、電圧をかけることで有機化合物が自発光する
ディスプレイ技術です。高コントラスト、薄型・軽量、視野角の広さなどの特長を持ち、テレビ、
スマートフォン、産業用表示装置など多くの分野で採用が進んでいます。

目次
   1. 有機ELの構造と発光原理
   2. 有機ELの種類
   3. 有機ELの特性と利点
   4. 設計・選定時の注意点
   5. 応用例と活用ポイント
   6. まとめ

1. 有機ELの構造と発光原理

有機ELは、以下の層構造を持ちます

アノード:電流を注入する電極(ITOなど)
有機発光層:電子と正孔が再結合して光を放つ
カソード:電子を注入する電極(Al、Caなど)

電子(負の電荷)と正孔(正の電荷)が有機層で再結合し、エネルギー放出によって光を生成します。液晶のようにバックライトを必要としないため、自発光型として高いコントラストと省電力性を実現できます。

2. 有機ELの種類

(1) PMOLED(パッシブマトリクス方式)
ー 小型・低解像度向け
ー 制御回路が簡素で低コスト
(2) AMOLED(アクティブマトリクス方式)
ー 高解像度・高速応答
ー TFT基板を用いた画素ごとの制御が可能

3. 有機ELの特性と利点

◆薄型・軽量化が容易 ガラス・樹脂基板などに形成可能

◆応 答 速 度 が 高 速◆ 動画表示に強い

◆視 野 角 が 広 い◆ 表示ムラが少ない

◆ 省 電 力 黒表示時に消費電力がほぼゼロ

4. 設計・選定時の注意点

焼き付き(イメージリテンション)固定表示の多い用途では注意が必要
寿命のバラつき青色素子の劣化が他より早い傾向あり
駆動電圧の管理電圧過多で寿命低下のリスク
封止技術の重要性酸素・水分による劣化を防ぐため、封止技術が性能に直結

5. 応用例と活用ポイント

民生機器》スマートフォン、テレビ、スマートウォッチ

車載機器》インパネやHUD(ヘッドアップディスプレイ)

医療・産業機器》軽量・広視野の特性を活かした計測・表示用途

6. まとめ

有機ELは、その優れた表示性能と設計自由度の高さから、今後ますます多様な製品への応用が期待される技術です。選定・設計にあたっては、発光特性や寿命、環境耐性などを十分に考慮することが重要です。

この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社

スター電子株式会社

この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。

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