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2025.09.16技術情報

タッチパネルが反応しない(抵抗膜方式)原因と対策

抵抗膜方式タッチパネルは、産業機器や計測装置、屋外端末など幅広い分野で採用されています。指やペン、手袋でも操作できる高い汎用性が魅力ですが、使用環境によっては「反応しない」「感度が悪い」という不具合が発生することがあります。この記事では、抵抗膜方式タッチパネルが反応しないときの主な原因と対策を解説します。

目次
   1. 抵抗膜方式タッチパネルの仕組み
   2. タッチが反応しない主な原因
   3. 対策とメンテナンス方法
   4. まとめ

1. 抵抗膜方式タッチパネルの仕組み

抵抗膜方式は、上下2枚の透明電極フィルムの間に微小な間隔を設けた構造です。指やペンで押すとフィルム同士が接触し、接触座標を検出することでタッチ位置を判断します。そのため、物理的な接触が重要になります。

2. タッチが反応しない主な原因

(1) 表面の汚れや異物の付着

● 油、ホコリ、粉塵が付着すると、タッチ時の圧力が適切に伝わらないことがあります。
● 特に製造現場では頻発しやすいトラブルです。

(2) パネルの表面損傷

● 長期間使用によるフィルムの傷や摩耗は、電極の導通不良を引き起こします。
● 繰り返しの強い押下で劣化が早まるケースもあります。

(3) コネクタやケーブルの接触不良

● タッチパネルと制御基板を接続するフレキシブルケーブルの緩みや断線により、
信号が正しく伝わらない場合があります。

(4) キャリブレーションのずれ

● タッチパネルと表示画面の座標がずれていると、押した位置が誤認識されるか、無反応になります。

(5) 制御回路の不具合

● A/Dコンバータや制御ICの故障、電源電圧の不安定さも原因になります。

3. 対策とメンテナンス方法

(1) 定期的な清掃

● 専用クリーナーまたは柔らかい布で表面を清掃。
● アルコールを使用する場合はコーティングへの影響を確認することが重要です。

(2) 表面保護フィルムの活用

● 傷や摩耗対策として保護フィルムを貼ることで、耐久性を向上させられます。

(3) ケーブル接続の確認

● コネクタの緩みや接触不良を定期的にチェック。
● ケーブルの折れや断線を防ぐため、曲げ応力対策も有効です。

(4) キャリブレーションの実施

● 制御基板側の設定メニューでキャリブレーションを定期的に実行。
● ソフトウェア更新後も忘れずに調整を行うことが大切です。

(5) 環境対策

● 高温・低温・湿度・粉塵など、使用環境に応じた防塵・防水仕様を採用。
● 必要に応じてパネル周囲にシーリング加工を追加する方法もあります。

4. まとめ

抵抗膜方式タッチパネルは、構造がシンプルで信頼性が高い一方、
表面状態・接触不良・環境要因に大きく影響される特徴があります。
開発段階から使用環境を考慮した部品選定と設計を行うことで、不具合リスクを大幅に低減できます。
また、定期的な清掃やキャリブレーションなど、運用面でのメンテナンスも重要です。

この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社

スター電子株式会社

この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。

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