2025.08.04技術情報
【LCDとは?】液晶ディスプレイの仕組みと設計上のポイント
LCD(Liquid Crystal Display)は、ノートPC、産業機器、計測器、家電など、幅広い電子機器で使用される表示デバイスです。ここでは技術者向けに、LCDの基本構造から種類、制御、選定時の注意点までを解説します。
目次 |
1. LCDの基本構造と動作原理 2. LCDの主な種類 3. LCD制御の基本(インターフェース) 4. LCD選定時の技術的なチェックポイント 5. まとめ |
1. LCDの基本構造と動作原理
LCDは、液晶分子を電圧で制御して光の透過を調整するディスプレイです。
バックライトを光源として使用し、液晶層と偏光フィルターの組み合わせで表示を
制御します。
液晶層 | 電圧で分子配列が変化し、光の偏光を制御 |
偏光板 | 特定方向の光だけを通すフィルター |
カラーフィルター | RGBサブピクセルで色表現 |
2. LCDの主な種類
(1) TN(Twisted Nematic)方式 |
● 応答速度が速くコストが安い ● 視野角は狭め |
(2) IPS(In-Plane Switching)方式 |
● 広い視野角と高い色再現性 ● 消費電力や応答速度ではTNに劣る場合あり |
(3) VA(Vertical Alignment)方式 |
● 高コントラストが特徴 ● 視野角はIPSよりやや劣る |
3. LCD制御の基本(インターフェース)
『パラレルRGB』マイコン制御によく使われる方式
『SPI / I2C』 小型ディスプレイ向け
『LVDS/MIPI』 高解像度、高速転送に適した方式
選定時は、制御ICとの互換性、フレームバッファの要否、更新速度などに注意が必要です。

4. LCD選定時の技術的なチェックポイント
● 解像度とサイズのバランス
● 視認性(輝度、視野角)
● 動作温度範囲と耐環境性
● バックライトの寿命と交換性
● タッチパネルとの組み合わせ(抵抗膜・静電容量方式など)
5. まとめ
LCDは高機能化・小型化の進む機器において、視認性と制御性の両立が求められる
重要なコンポーネントです。使用環境や制御要件を踏まえた適切な選定と設計により、
安定した製品開発が実現します。
この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社
この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。