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2025.09.29技術情報

抵抗膜方式と静電容量方式の比較:用途別の選定ポイント

タッチパネルは、スマートフォンから産業機器まで幅広い製品で利用されており、代表的な方式として抵抗膜方式静電容量方式があります。ここでは、それぞれの仕組みや特徴を比較し、用途に応じた選定ポイントを解説します。

目次
   1. 検出方式の違い
   2. 特徴比較
   3. 環境別・用途別の選定ポイント
   4. 開発時の考慮点
   5. まとめ

1. 検出方式の違い

特徴抵抗膜方式静電容量方式
検出原理上下2枚の透明電極フィルムを
押し合わせて接触点を検出
指やペンが近づくことで発生する
静電容量の変化を検出
操作方法指、手袋、スタイラスすべて対応可能導電性のある指や専用ペンでの操作が基本
タッチ強度軽くても反応するが、ある程度の押圧が必要軽いタッチで操作可能

2. 特徴比較

(1) 抵抗膜方式の特徴

メリット

● 手袋やスタイラスでも操作可能
● 水滴や粉塵など環境影響に強い
● コストが低く産業機器に適している

デメリット

● 表面フィルムが柔らかく傷つきやすい
● マルチタッチ操作が困難
● 光透過率が低く、視認性が劣る

(2) 静電容量方式の特徴

メリット

● マルチタッチやジェスチャー操作に対応
● 高解像度ディスプレイで優れた視認性
● 耐久性が高く長寿命

デメリット

● 手袋や絶縁体越しの操作に弱い(専用設定で改善可能な場合もある)
● 水滴や油膜により誤動作しやすい
● コストが比較的高い

3. 環境別・用途別の選定ポイント

使用環境・用途推奨方式理由
製造現場(油・粉塵・手袋使用)抵抗膜方式手袋対応可能で、環境影響に強い
屋外端末(直射日光・温度変化)赤外線や抵抗膜直射日光や湿度に強く、信頼性が高い
スマートフォン・タブレット静電容量方式マルチタッチ・高解像度表示に最適
医療機器静電容量方式視認性と操作性が重視される
金融端末・POSレジ抵抗膜方式手袋操作が多く、コスト面でも有利

4. 開発時の考慮点

● 操作性を優先するか耐久性を優先するか

● 使用環境に適した方式かどうか

● ディスプレイの解像度や透過率への影響

● コストと調達性

5. まとめ

抵抗膜方式は、産業機器や屋外端末など特殊環境での信頼性を重視する場面に適しています。一方、静電容量方式はスマートフォンや医療機器のように、直感的で高解像度な操作性が求められる場面で優れた選択肢です。

製品の使用環境や求める機能に応じて、適切な方式を選定することが品質とユーザビリティ向上につながります。

この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社

スター電子株式会社

この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。

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