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2025.10.06技術情報

ブロー成形機とは? プラスチック容器を作る中空成形技術の基礎

ブロー成形機(Blow Molding Machine)は、プラスチックを加熱・成形して「中空構造の製品(ボトル、タンク、ケースなど)」を作るための機械です。ペットボトルや洗剤容器、燃料タンクなど、私たちの身の回りにある多くの製品がこの技術で作られています。

目次
   1. ブロー成形の基本原理
   2. ブロー成形の主な方式
   3. ブロー成形機の主要構成
   4. 設計・開発時の考慮点
   5. ブロー成形機の用途例
   6. まとめ

1. ブロー成形の基本原理

ブロー成形は、プラスチックを加熱して軟化させた状態で、
圧縮空気を吹き込んで金型内に押し付けることで中空体を成形する技術です。

主な工程は以下の通りです:
  1. プラスチック樹脂を加熱して溶融状態にする。
  2. 円筒状の「パリソン(Parison)」と呼ばれるチューブ状素材を押し出す。
  3. パリソンを金型で挟み、内部に圧縮空気を吹き込む。
  4. 樹脂が金型の内面に密着し、冷却・固化して中空形状が完成する。

2. ブロー成形の主な方式

(1) 押出ブロー成形(Extrusion Blow Molding)
概要パリソンを押し出し、金型で挟んで成形。
特徴ボトル、タンクなど中~大型製品に適する。
利点形状自由度が高く、コスト効率が良い。
(2) 射出ブロー成形(Injection Blow Molding)
概要まず射出成形でプリフォーム(中間体)を作り、その後ブロー成形で膨らませる。
特徴寸法精度が高く、透明性の高い製品に向く。
用途化粧品容器や医薬品ボトル。
(3) ストレッチブロー成形(Stretch Blow Molding)
概要プリフォームを縦方向に引き伸ばしながらブロー成形。
特徴分子配向による高強度・高透明性を実現。
用途PETボトルが代表例。

3. ブロー成形機の主要構成

押出機(Extruder)樹脂を加熱し溶融させる部分
金型(Mold)製品の形を決定する部分。冷却機構付き
ブロー装置圧縮空気を送り込む装置
制御ユニット温度、圧力、タイミングなどを制御する電子系統

4. 設計・開発時の考慮点

材料選定:PE、PP、PETなど、製品の用途や強度に応じて選択。
金型設計:冷却効率や離型性を考慮。
パリソン制御:肉厚分布を均一化するための制御が重要。
成形条件の最適化:温度・圧力・冷却時間のバランスで品質を決定。

5. ブロー成形機の用途例

用途材料成形方式特徴
飲料用PETボトルPETストレッチブロー軽量・高透明度
洗剤容器HDPE押出ブロー耐薬品性・低コスト
燃料タンクHDPE押出ブロー厚肉・大型対応
医薬品ボトルPP射出ブロー高精度・気密性

6. まとめ

ブロー成形機は、中空プラスチック製品の大量生産に最適な技術であり、製品の形状自由度・コスト効率・生産性の高さが魅力です。用途や求める品質に応じて、押出・射出・ストレッチなど最適な方式を選択することが重要です。
ブロー成形の制御には温度・圧力・タイミングの精密な管理が欠かせず、近年では電子制御化やサーボ制御技術の導入によって品質の安定化が進んでいます。

この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社

スター電子株式会社

この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。

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