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2025.10.20技術情報

横型射出成形機とは? 基本構造と特徴

横型射出成形機(Horizontal Injection Molding Machine)は、射出ユニットと型締ユニットが水平方向に配置された成形機で、現在最も一般的に使われている射出成形機です。自動化や大量生産に向いており、家電、自動車部品、容器類など幅広い分野で使用されています。

目次
   1. 横型射出成形機の基本構造
   2. 横型射出成形機の特徴
   3. 横型射出成形機の主な用途
   4. メリットとデメリット
   5. 竪型射出成形機との比較
   6. まとめ

1. 横型射出成形機の基本構造

横型射出成形機は、溶融した樹脂を金型に射出し、冷却・固化して製品を取り出す装置です。主な構成は以下の通りです。

型締ユニット:金型を開閉し、射出時の高圧に耐えるための装置。
射出ユニット:スクリューによって樹脂を加熱・溶融し、金型へ射出。
制御ユニット:温度、圧力、速度、時間を精密に制御。
取出機構:自動化対応としてロボットアームやコンベアが接続されることも多い。

射出ユニットと型締ユニットが一直線上にあるため、構造が安定し、高精度な成形が可能です。

2. 横型射出成形機の特徴

(1) 大量生産に適している
横型成形機は、自動化や連続運転に向いた構造を持ち、大量生産ラインに最適です。金型の開閉や製品の取出しが水平方向で行われるため、サイクルタイムを短縮しやすい設計です。

(2) 自動化との親和性が高い
ロボットによる製品取り出しや、金型内でのインモールド成形など、多様な自動化システムとの連携が容易です。組立や検査工程への自動搬送も効率的に行えます。

(3) 大型製品の成形に対応
竪型機に比べて大型金型の搭載が可能であり、バンパー、パネル、筐体などの成形にも使用されます。金型重量による負荷を床面で支えられるため、安定性に優れています。

3. 横型射出成形機の主な用途

用途材料特徴
自動車部品PP、ABS、PA大型・高強度製品に対応
家電製品PC、ABS外観品質・寸法精度重視
容器・日用品PP、PE高速サイクル生産に対応
精密機器部品POM、LCP微細形状・寸法安定性が必要

4. メリットとデメリット

<メリット>
  ● 大型・大量生産に適している。
  ● 自動化システムとの組み合わせが容易。
  ● 金型の取付・メンテナンスがしやすい。
  ● 高速サイクル運転による生産性向上が可能。

<デメリット>
  ● 設置スペースが広く必要。
  ● インサート成形では、部品固定が難しい場合がある。
  ● 金型交換時に作業スペースを多く取る。

5. 竪型射出成形機との比較

項目横型成形機竪型成形機
成形方向水平方向垂直方向
適した製品大型・量生産品小型・インサート部品
設置スペース広いコンパクト
成形精度高い高い(小型部品に有利)
自動化適性高い(搬送ライン対応)高い(セル生産対応)

6. まとめ

横型射出成形機は、大量生産・自動化・大型製品に最も適した汎用性の高い成形機です。
安定した成形品質と生産効率を実現できるため、工業製品の幅広い分野で採用されています。

一方で、スペース確保や金型交換の効率化など、設備設計上の工夫も求められます。
製品サイズや生産形態に応じて、竪型・横型のどちらが最適かを見極めることが重要です。

この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社

スター電子株式会社

この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。

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