2025.07.21技術情報
組み込みシステム開発 ハードウェアとソフトウェアの依頼
組み込みシステムの開発においては、「ハードウェア設計」と「ソフトウェア開発」の両方が密接に関係します。依頼方法として、両者を別々の企業に分ける場合と、一社にまとめて依頼する場合があります。ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットについて整理します。
目次 |
1. ハードとソフトを別々の会社に依頼する場合 2. 一社でハードとソフトを一貫対応できる場合 3. 依頼の際に意識したいポイント 4. まとめ |
1. ハードとソフトを別々の会社に依頼する場合
メリット | 専門性の高い開発が可能 |
ハード専業・ソフト専業の会社は、それぞれ深い技術知見や経験を持っており、要求に対して高度な提案が期待できます。 | |
価格競争力が出やすい | |
複数社からの見積もりを比較することで、コスト最適化が図れる場合があります。 |
デメリット | 調整コストが発生 |
ハードとソフトの間で仕様のすり合わせやトラブル対応が発生する場合、調整役が必要になります。 | |
責任の所在が曖昧になりがち | |
不具合の原因がハードかソフトか判別しづらく、対応に時間がかかることがあります。 |

2. 一社でハードとソフトを一貫対応できる場合
メリット | 仕様変更に強い |
ハード側の変更がソフト側にどう影響するかを社内で即座に判断・対応可能。 | |
トラブル対応が迅速 | |
原因の切り分けがスムーズで、再現・修正のサイクルが早い。 | |
一貫した設計思想 | |
開発方針や思想を共有しやすく、統一感のある製品が実現しやすい。 |
デメリット | 比較検討が難しい |
技術的・価格的に他社との比較がしづらく、相見積もりが取りにくい。 | |
特定技術に偏る可能性 | |
社内にある技術リソースに依存するため、最新技術の導入に限界がある場合も。 |
3. 依頼の際に意識したいポイント
[どちらに強みを求めたいかを明確にする]
ソフトの制御ロジックが肝なのか、ハードの信号処理が肝なのかで選定が変わる。
[コミュニケーション体制の確認]
仕様のすり合わせを円滑に進められるかどうか。
[将来的な保守・機能追加のしやすさ]
ドキュメント、ソースコードの提供範囲や再開発の体制なども重要。
4. まとめ
組み込みシステム開発では、ハードとソフトの切り離しが難しいため、
開発スタイルは慎重に選ぶ必要があります。自社の目的やリソースに応じて、
専門性を優先するか、連携性・対応スピードを重視するかを判断し、
信頼できる開発パートナーを選定しましょう。
この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社
この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。