2025.07.07技術情報
組み込みシステム開発を依頼する時の流れ
電子機器における制御や信号処理の中枢を担う「組み込みシステム」。
高性能化や省電力化、IoT対応などが進む中、外部に開発を委託するケースが増えています。
ここでは、組み込みシステム開発を外部に依頼する際の一般的な流れと、
注意すべきポイントを紹介します。
目次 |
1. 要件定義・ヒアリング 2. 概算見積とスケジュール提案 3. 仕様確定・契約締結 4. 開発フェーズ 5. 試作・評価 6. 納品・保守サポート 7. 注意点と選定のポイント 8. まとめ |
1. 要件定義・ヒアリング
• ユーザーの希望機能や仕様(入力・出力、インターフェース、動作条件など)
を洗い出します。
• 技術的に可能な範囲と制限を明確化。
• この段階で仕様書が不完全な場合も、開発会社がヒアリングを通して補完可能です。
2. 概算見積とスケジュール提案
• 要件をもとに概算費用・納期・開発範囲を提示。
• 開発工数、マイコン・OS選定、周辺回路構成なども考慮。
3. 仕様確定・契約締結
• 詳細仕様書を整備し、機能単位での仕様確定を行います。
• 納品形態(ソースコード、バイナリ、ドキュメントなど)や
保守契約の有無も確認。
4. 開発フェーズ
• ハード設計(マイコン選定、回路設計、基板設計)
• ソフト設計(ファームウェア開発、OS設定、通信プロトコル対応など)
• 単体・結合・システムテストを段階的に実施。

5. 試作・評価
• 初回試作機を用いて実機評価を実施。
• 不具合修正、タイミング調整、機能最適化などを行い、量産準備へ。
6. 納品・保守サポート
• 完成品納品後、マニュアルや技術資料も提供。
• 要望に応じて、運用時の不具合対応や仕様変更にも対応。
7. 注意点と選定のポイント
開発実績 | 類似製品の開発経験があるか |
対応範囲 | ハード・ソフト・筐体まで一括で対応可能か |
柔軟なコミュニケーション | 仕様変更・トラブル時の対応力 |
開発環境と保守性 | 使用するツールやコードの可読性、引き継ぎやすさ |
8. まとめ
組み込みシステム開発を依頼する際は、仕様の明確化と信頼できるパートナー選定が鍵です。
開発会社との綿密な連携を通して、実用的かつ品質の高いシステムを構築することができます。
仕様書が不十分でも、経験あるパートナーなら丁寧なヒアリングで開発をスタートできます。
この記事を企画・執筆した人

スター電子株式会社
この記事は、スター電子株式会社が企画・執筆しています。当社の受託開発・受託製造・自社製品などの実績やお知らせ・関連コラムをご紹介しています。